ホール公演、立つか座るか

言いたいことは以下の2つです。

 

ホールでのライブにおいて、

  • 座って観るときは前傾姿勢にならないで!
  • これからは周りが座ってても私は立って観ていいですか?

 

もう少し具体的には、ホールクラス以上のライブ会場では必ずこのツイート内容を注意喚起してほしい、ということです。

 

ホールクラス以上のライブでの出来事に関する記録です。前の座席の観客が身を乗り出して(前傾姿勢で)観ることによって自分の視界が遮られる事件が昨年から起こり始めました。

 

ロック・ポップス系のホール公演は基本的に全員立って観るものだと思っていましたが、コロナ禍以降の傾向なのか、音楽性の問題なのか、急に「立って観るのは1階席のみ」みたいな風潮が一部で生まれているのでしょうか。

 

時系列で振り返る

私が最初に座ったままロックバンドのライブを観たのは、2017年のスティング@武道館でした。たしか自分は2階席で、周りはアンコール以外全員座っていました。1階席の観客だけ最初からずっと立っていたはず。

 

理由はおそらくファンの年齢層。若くない人が多かったので、足腰に負担をかけないために、暗黙の了解的にライブの本編は着席→アンコールだけ立つという流れが自然にできていた感じ。

 

そこに異論はないし、このライブはめっちゃ楽しかったです。

 

で、昨年から立て続けに着席ライブに遭遇してます。

 

2021年

2022年

 

着席が問題ではありません。青葉市子さんのライブなんて、むしろ座ってじっくり聴きたいし。

 

問題は

身を乗り出して(前傾姿勢になって)後ろの観客の視界を平気で遮る人たちがいることです💢

 

ステージが見えない(怒

視界が遮られる、とは具体的には、普通にステージが見えないということです。ライブ中に歌う観客に対して「あんたの歌を聴きに来たんじゃない😡」と思うのと同じで、「あんたの後頭部を見に来たんじゃない😡」と思いました。

 

唯一、青葉市子さんのときは自分で声をかけて前傾姿勢をやめてもらいました……。(休憩時間があればスタッフ経由で伝えることも可能ですが、このときは休憩なしだったので曲の合間に自分で言うしかなかった)

 

言われたら嫌な気持ちになるだろうし、言う方だって嫌です。でも赤の他人のせいでステージが見えないのはもっと嫌なので。

 

くるり@ガーデンシアターでも、前に座ってた密録してるおっさんが頻繁に前屈みになって何度も岸田さんが視界から消えました。ただ、ほぼ最後列だったので(ステージが見えたところで遠すぎる…)ってことで休憩もあったけど黙ってました。

 

シガーロス@ガーデンシアターのときは前後とかなり高低差がある席だったおかげで、前の人がどんな体勢になろうがステージがちゃんと見えました。(ちなみに前の人は何度か前傾姿勢になってました)

 

幾何学模様については後述……。

 

オールスタンディングなら位置は指定されないから、見づらければ自分が動いてもいいし、人影の隙間からステージを見るのが「当たり前」なので、そういうものとして楽しんでます。

 

大抵のホールは、すべての客席からステージ全体がちゃんと見えるように設計されています。ホールではステージがよく見えて「当たり前」なのです。でもそれは正しい姿勢で座っていることが前提です。

 

ホール公演でも、みんなが立って腕を振り上げるような盛り上がり方のライブならたまにステージが見えなくても別に良いです。オールスタンディングの会場のような楽しみ方で観れるので。

 

  • 正しい姿勢で座るか
  • 立って盛り上がるか

 

どっちかにしてくれ……。

 

なぜ立たない?

青葉市子さんとシガーロスはわかる。どちらも美しい音楽に身を委ねるようなライブなので。くるりのときに周りが誰も立たないことには驚きましたが、もっと驚いたのが先日の幾何学模様のライブです。

2022.12.03「KIKAGAKU MOYO FINAL SHOW」@めぐろパーシモンホール

サイケで、ダンサブルで、体を揺らして楽しむような音楽だから当然立って観るものと思い、客電が落ちて立とうとしたら、周りが誰も動かない……。

 

5席くらい隣の人も一瞬立とうとして(え、誰も立たないの…!?)みたいな顔して座っちゃった。こうなると立ってる人がおかしい感じなので座るしかない。

 

で、早速目の前の人が身を乗り出す💢幾何学模様はこのライブを最後に無期限活動休止となるので、この超貴重な機会にマジで困る……さすがに言うしかないか……と思ってたら3曲目くらいで背もたれに戻った。とりあえず良かった……。

 

ちなみにずっと後ろの席の視点で語ってますが、真横の人が身を乗り出すのも相当目障りですよ。想像したらわかると思うんだけどな……。

 

遠くの席を見てみると2,3人立ってる人がいる。めっちゃ浮いてる。けど羨ましい。

 

まぁ、前の人はもう体勢変える気配ないし、諦めて座って観てたら、終盤になって斜め前の人が痺れを切らしたように立ち上がった!これによって「前の人が邪魔でステージが見えない」という大義名分ができたので私も立ち上がって楽しめました!

 

ありがとう斜め前の人……🙏きっと勇気が必要だったと思います……。

 

不思議なのは、立った斜め前の人の真後ろの人(つまり私の隣の人)が最後まで座ったままだったこと。いや、見た目ではわからないけど脚が悪い、とかならもちろん話は別ですが、ライブを観にきて人の背中を見続けることに不満とかないのかな。そもそもみんななぜ立たないんだ。

 

この、立つか立たないかという駆け引き、心理戦めいた状況が余計なストレスになるので、これからは禁止されていない限り、周りの目など気にせず立ってライブを観ようと思いました。立てばよかろうなのだ。

 

アナウンスしてほしい

私はミュージカルが好きで、劇団四季の専用劇場や帝国劇場、その他そんなに数多くはないですが、いくつかホール・劇場で観劇したことがあります。ミュージカルを観に行くと開演前に「身を乗り出してのご鑑賞は周囲のお客様のご迷惑となりますので、ご遠慮ください」的なアナウンスが再三流れます。

 

これをロック・ポップスのホール公演でもアナウンスしてほしい。

 

ミュージカルの会場でもたま〜に身を乗り出す人がいます。そういうときはすぐに(または休憩時間に)スタッフが来て注意してくれます。

 

シガーロスとか幾何学模様とかマニアックな音楽を聴きにくるメインの客層はホール公演に不慣れで、身を乗り出すことが迷惑になると知らないのだろうと思います。

 

知らなければ仕方ないし、「知らないこと」自体を責めるつもりはないです。だから会場側がちゃんとアナウンスしてほしいです。

 

それか、立てばいいんです。長々と書きましたが、みんなが立って観れば解決します。繰り返しになりますが、

 

  • 正しい姿勢で座るか
  • 立って盛り上がるか

 

どっちかにしてください。

 

余談

人づてに聞いた話ですが、演劇・ミュージカルと音楽ライブでは提供される価値に違いがあります。

 

演劇・ミュージカルは「ステージを観ること」

音楽ライブは「音楽を聴くこと」

 

なので、演劇・ミュージカルは「ステージに近い席ほど価値が高い」ということで位置によってSS席、S席、A席など分けて価格が設定されています。

 

音楽ライブはどんな席でも「音楽が聴こえる」ことに変わりはない、という理屈で一律の料金が設定されてきました。機材席解放に伴う「見切れ席」の追加販売、とかはミュージカルにはあり得ない概念です。「ステージが一部見えない」席には価値がないから。

 

ロック・ポップスのライブ会場で「視界を遮る」ことに対する注意喚起がないこともこの理屈で説明できますね。「ステージが見えない」ことで価値が下がらない、ということです。

 

でも、たとえば東京ドームの最前列と一番後ろの席が同じ値段って、さすがにおかしくないか?不平等じゃないか?ということで近年ロック・ポップスのライブでも席種が設定されるようになってきました。

 

という感じで今はステージの見え方にも価値があるので、なおさらアナウンスは必要だと思います~というお話でした。